ワイヤーカット放電加工機は、ワイヤー線に電気を流すことにより加工対象物を電気で溶かすことで任意の形状に作り上げる加工機となります。従ってワイヤー線は導電性が高い材質が採用され、例えば下記のような材質があります。

 

1.黄銅

最も代表的なワイヤー線の材質は、黄銅になります。黄銅は導電性も高くコストも安いため、多くのワイヤーカット放電加工機で使用されています。ただし、100分台のワイヤー線として使用した場合には、ワイヤー線としての強度が低いために断線が起こりやすいために、加工スピードを上げることができません。主にφ0.2以上の線径で使用される場合が多いです。

 

2.タングステン

タングステンは導電性が高い上、強度が非常に強いため、φ0.1以下のワイヤー線によく使用されております。ただし黄銅と比較するとコストが高くなるため、高精度加工や微細な加工に主に使用されます。

 

3.その他

黄銅やタングステンの他、ピアノ線に黄銅をコーティングしたタイプもあります。コスト的には黄銅とタングステンの中間になり、黄銅よりも強度が上がるため加工スピードを向上させることが可能です。また黄銅線に各種コーティングを施すことにより、加工スピードを上げられるワイヤー線も存在します。

 

上記のように、ワイヤーカット放電加工機に使用されるワイヤー線には様々なものが存在しますが、加工対象物やコストとの兼ね合いで、加工現場において最適なワイヤー線が選択されています。なお、黄銅のワイヤー線だと、1回切りでスピードを上げて加工した場合には、加工面に黄銅粉が付着する場合がありますので加工後にしっかりと洗浄する必要があります。

豆知識:黄銅はキロ単位で販売されていますが、タングステンはメーター単位です。このことからもタングステンのワイヤーは高価であることがお分かり頂けると思います。