ワイヤーカット放電加工機の加工品質・精度を左右する要素には様々なものがあり、水加工よりも油加工の方が表面状態も良く高精度に加工ができることは他のコラムでも述べていますが、今回は加工面の状態などに影響する水や油の管理についてお伝えします。

 

水仕様のワイヤーカット放電加工機は、水道水や井戸水をそのまま使用することはせず、イオン交換樹脂のフィルターを通した水を使用します。これは、水の導電性に対する抵抗値を上げて加工性能を良くするために行われます。またワイヤーカット放電加工機の加工槽の水はイオン交換樹脂フィルターを通して常に循環しており、蒸発などにより減った分は管理者が追加していくという方法が採られます。さらに、イオン交換樹脂フィルターは一定期間使用すると機能が低下し、先ほど述べた加工性能を維持できなくなりますので、定期的に交換する必要があります。つまり、水仕様のワイヤーカット放電加工機の水は、イオン交換樹脂フィルターの定期的交換と加工槽の掃除など定期的なメンテナンスが必要となります。なお、よほどひどい状態にならない限りは総入れ替えは行われません。

 

一方、油仕様のワイヤーカット放電加工機については、加工液の蒸発等はしないため、加工液の継ぎ足しは水仕様のように頻繁に行うことはありません。また、イオン交換樹脂フィルターを通すことも必要性もないため、その分の購入費を抑えることができます。ただし、長く使っていると油加工液の性能が低下するため、加工面の面粗度が粗くなったり、精度が維持できなくなる、ワイヤー断線が起こるなどの不具合が生じます。そのため、油仕様のワイヤーカット放電加工機については、油加工液の定期的な総入れ替えが必要となります。このタイミングは加工精度や求める品質によるためワイヤーカット放電加工を行うメーカーに委ねられています。ちなみに当社は定期的にチェックすることで高精度加工を維持できる頻度で入れ替えを行っています。

 

ここまでのご説明で、ワイヤーカット放電加工機はただ機械があれば良いという訳ではなく、日々の加工状態のチェックをしっかりと行い、水や油の状態によって加工槽の掃除や加工液を入れ替えるなどのメンテナンスが必要となることがお分かり頂けると思います。超硬加工.COMを運営する㈱キンコーでは、このような管理を通じて高精度なワイヤーカット放電加工技術を提供して参りますので、お困りの際にはぜひご相談ください。