ワイヤーカット加工で加工出来る材質とは?

ワイヤーカット放電加工機は、微小な電流を通したワイヤー電極線を材料に近づけ、放電を行うことで材料を少しずつ溶かしながら加工する原理のため、導電性のある材質であればどのような材質でも加工することができます。世の中に存在する物質はほとんど導電性があるので、我々の身近にある鉄・ステンレス・アルミ・銅などはもちろんワイヤーカット放電加工で加工を行うことが可能です。

超硬

超硬のような硬度の高い材質はドリル加工が難しいけれども、ワイヤーカット放電加工ならば精度よく加工することが可能です。

アルミ

アルミは厚みが変わると、精度が安定しない特徴があります。目詰まりが原因でフィルター交換が早く、タングステン線では膜が出来てしまい、精度が安定しないという特徴も持ちます。

水加工の場合、加工電圧の影響によって加工物から水中に金属イオンが流出します。それが原因で電蝕と呼ばれる現象が起こり、錆が発生することがあります。そのため、鉄をワイヤーカット加工する場合は、加工液として油を選定します。

ワイヤーカット加工で加工出来ない材質とは?

ただし、セラミックやプラスチックなどは通常導電性が無いのでワイヤーカット放電加工では加工することができません。しかし、セラミックやプラスチックでも導電性がある物質を含んでいるものがあれば、ワイヤーカット放電加工で加工を行うことができます。

当社では、ワイヤーカット放電加工を13台、形彫放電加工機を5台、細穴放電加工機を6台保有する、放電加工のプロです。こんな材質はワイヤーカット放電加工できないのか?などお気軽に相談頂ければ対応可否をお応えすることも可能です

ワイヤーカット放電加工の加工事例

SUS304製 精密ギア

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こちらのSUS304製 精密ギアは平面・平行度を±5μmに加工しています。ギアの製作で重要なのは形状及び外周のギア角度です。ギアの角度及び平面平行度を正確に保たれていなければ、回転による振動の影響や正確に嚙み合わないためスムーズに回らない場合があります。そこで当社ではワイヤー放電加工にて高精度に加工を施しております。またステンレスの薄板はワイヤー放電加工する際に反りが出てしまうので、加工後にも研削加工を入れて、要求される平面平行度を実現しています。

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超硬突き上げピン

突き上げニードル(二股タイプ)

この超硬製の突き上げピンは、Φ0.8mm×20mmのピンの端部を二股にし、さらに先端部をR0.03に加工したものです。この突き上げピンの製作にあたっては、まず超硬の丸棒を円筒研削加工機にてΦ0.8に仕上げ、先端部が細くなるよう研磨でテーパー形状に加工を施しております。その後、先端部をワイヤーカットで二股に高精度加工を行い、二股の先端部をR0.03で仕上げました。特に二股部のピッチ精度が重要であり、これが安定して加工できないと、チップ部品を突き出す作業を正確に行うことができなくなります。当社は、超硬の切削・研削加工におけるノウハウに加え、高精度加工が可能な様々な設備を駆使して、半導体業界などの厳しい寸法・品質要求にお応えして参ります。

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超硬押出金型

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円筒状の外周部はSKD11に真空焼を施したものを使用し、中央のダイス部は超硬を焼き嵌めした後、細穴放電にて下穴をあけ、ワイヤーカット加工で超高精度に長方形の形状にて加工を行っております。また、材料注入部は片側20°の傾斜を放電加工にてとっています。長方形の内部形状および傾斜部は、流体研磨にて鏡面ラップを施しておりますので、高精度な押出しを安定的に行うことが可能です。当社では微細精密加工が可能な技術者のスキルと、焼き嵌め、鏡面磨き、ロウ付け、摺り合わせ等の職人技を組み合わせ、高精度な金型製作に活かしております。

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超硬垂直4面型吸着コレット

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この超硬合金製の精密加工品は、垂直4面型の吸着コレットで、コレット吸着部の溝幅は0.1mm、長さは4.3mmとなっています。コレット吸着面は鏡面ラップ仕上げを行い、各種チップが確実に吸着する仕様となっています。また、4面のテーパー部はプロファイル研削加工、先端上面は細穴放電加工とワイヤーカットにて1,000分台の公差に収まる高精度な精密加工を行っています。

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超硬 ワイヤーカット鏡面仕上げ

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これは超硬合金をワイヤーカットにて切り出し、外周面及び内面に鏡面ラップ研磨を施している精密加工品です。本製品の表面には平面研削加工を行い、厚み精度は千分台となっています。また、内径面に流動研磨を実施していますが、微細孔(φ0.3以下)などの流動研磨の場合には、流体研磨を適用することでRa0.06まで対応が可能です。当社では、ワイヤーカットからマシニング加工、放電加工、研削加工など超硬に必要な加工をワンストップでご提供いたします。

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高精度ワイヤーカット放電加工サービス

超硬加工.comを運営する株式会社キンコーは、使用可能最小ワイヤー径φ0.03によって最小インコーナーをR0.023mmで加工することが可能です。また、面粗さはRa0.04μmという超微細ワイヤー放電加工を実現しています。

ワイヤーカット>>『高精度ワイヤーカット放電加工サービス』はこちら

ワイヤーカット放電加工に関するよくある質問

超硬加工.COMを運営する(株)キンコーが過去にお客様から受けたご質問をご紹介します。

>>『ワイヤー放電加工での最小微細穴径を教えて下さい。』はこちら

>>『ワイヤーカット加工で使用可能なワイヤー線径を教えて下さい。』はこちら

>>『ワイヤーカット放電加工のみの依頼でも対応可能でしょうか?』はこちら

>>『超硬材へのワイヤーカットで、最小コーナーRはいくつですか?』はこちら

>>『ステンレスで製作している部品を、超硬に変更できますか?』はこちら

>>『超硬に対して、どんな溝加工できますか?』はこちら

>>『超硬に対して、どのくらいの精度で加工できますか?』はこちら