Before (改善前)

超硬合金と鉄材を接合する際に、銀ロー付けを行う場合があります。上図では、超硬合金にはワイヤーカットによって貫通形状に加工し、鉄材には旋盤によって凸形状に加工し、超硬合金・鉄材を嵌め合わせて銀ロー付けを行います。しかし、鉄材は温度によって膨張・収縮を引き起こしてしまい、上記のような形状だと凸の頂部に銀ロー付をすることができません。このような銀ロー付けの場合、鉄材が収縮すると銀ローが外れてしまうことがあり部品の接合強度が下がることになります。

V

After (改善後)

パンチなどのように超硬合金を用いる製品は、鉄材と嵌め合わせ銀ロー付をして製作する事が多いです。従来設計では超硬合金を貫通形状・鉄材を凸形状にしていましたが、これらを凹凸形状にすることで長寿命化を図ることができます。超硬合金をプロファイル研削盤や円筒研磨機によって凸形状に、鉄材を旋盤で凹形状に加工します。このような形状に変更することで、凸の頂部にも銀ロー付けすることができます。銀ロー付けの範囲が広くなるため、従来設計よりもより強固な接合となり、部品の強度アップにつながります。

POINT(要約)

従来設計の場合、φ10のクリアランスを大きくすれば、鉄材が冷えた時に銀ローが外れることがあります。形状を変更することで凸の頂部にも銀ローが付くため強度アップすることができます。但し、従来設計と比べ超硬合金の使用量が多いため超硬素材のコストは上がってしまいます。コストと強度を加味して適切な形状を選択することがポイントとなります。