Before (改善前)

超硬合金や焼き入れ鋼を用いた精密機械加工部品の製作を行う際に、位置決め用の孔を設ける場合があります。位置決め用の孔が上図のような止め孔の場合には放電加工によって加工をおこないます。しかし、放電加工は電極の製作作業があるため、放電加工の時間と電極製作時間および電極の材料費がコストアップの要因となります。

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After (改善後)

位置決め用の孔加工を行う場合、使用上問題が無ければ貫通孔に形状変更することでコストを抑えることが可能です。そして、貫通孔であれば放電加工からワイヤーカットでの加工に変更することができます。ワイヤーカットと放電加工を比較したとき、ワイヤーカットの方がコストを抑えた加工ができます。しかし、孔の深さがある一定以上に深くなると従来設計の方が安くなります。そのため、製品ごとに適切な設計を行うことがコストダウンのポイントとなります。

POINT(要約)

位置決め用の孔は製品の仕様上問題なければ、コストのかからない形状を選択することがポイントとなります。超硬合金などの高硬度材の場合、放電加工やワイヤーカットでの加工になるので貫通孔に形状変更することでコストを抑えることができます。しかし、孔の深さによっては止め孔が最適な場合もあるので、事前に加工者と相談を行って開発・設計する必要があります。