Before (改善前)

精密金型を製作する際、金型に対して逃げを設ける場合があります。例えば超硬合金などの高硬度材を用いた金型に逃げを設ける際、上記のように逃げの範囲が0.03mm~0.1mmなど小さい場合が多いですが、逃げ範囲が狭いとそれに伴い外形部は研削加工、内形部は放電加工を行う必要があるため放電加工に使用する電極の製作にも時間がかかってしまい、金型製作にかかる費用が膨れ上がってしまいます。

V

After (改善後)

精密金型に設ける逃げの範囲を、従来設計より大きく取るように設計変更することでコストダウンすることができます。0.03mm~0.1mmの逃げを0.1mm~0.5mmのように大きく取ることで、材料の段階で逃げ加工を入れることができます。それにより外形部の研削加工、内形部の放電加工や、それに使用される電極の加工をなくすことができ、全体の加工時間短縮および材料費の低減により、大幅なコスト低減が可能となります。

POINT(要約)

一般的に、逃げ加工はその部分より少し逃がすように設計される場合が多いです。しかし、逃げを大きく取っても問題が生じない場合は、逃げを大きくすることでコストダウンや納期短縮につながる場合があります。開発段階、設計段階において形状変更の検討を重ねることによってコストダウン、短納期化が可能となります。